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【位相空間】内部と閉包とは?証明&例題付きで説明

内部と閉包の準備

内部と閉包とは何かをする前に必要なものを先に確認する。
以下では、X位相空間とし、AXの部分集合とする。
また、xXの点とする。

内点

xに対し\varepsilon >0が存在しU\left( x,\varepsilon \right) \subset Aとなれば(つまりAx\varepsilon-近傍を含めば)、xAの内点という。

触点

任意の\varepsilon >0に対しU\left( x,\varepsilon \right) \cap A\neq \emptysetとなるxAの触点という。

内部とは

Aの内点全体の集合をA^{\circ }とし、これをAの内部という。(※A^{\circ }\mathrm{Int} Aとも書く。)
A^{\circ }は、A^{\circ }=\left\{ x\in A| xはAの内点\right\}とも表せる。

閉包とは

Aの触点全体の集合を\overline{A}とし、これをAの閉包という。
\overline{A}は、\overline{A}=\{ x\in X| xはAの触点\}とも表せる。

内部と閉包の関係

A^{\circ }\subset A\subset \overline{A}
となる。

ここで、A^{\circ }\overline{A}は次の①②が成立する。
A^{\circ }Aに含まれる最大の開集合。Aが開集合であるための必要十分はA^{\circ }=Aとなることである。
\overline{A}Aを含む最小の閉集合A閉集合であるための必要十分は\overline{A}=Aとなることである。
②の証明は各位相参考書に任せる。

①の必要十分の簡単な証明としては、
( \LeftarrowA^{\circ }が開集合より。
( \Rightarrowは、U\subset Aを任意の開集合とすればUの点は全てAの内点になるのでU\subset A^{\circ }
よって、A\subset A^{\circ }
A^{\circ }\subset Aであったので、両方の包含関係が言えたので、結果、等しい。

例題

確認のために
(1),(2),(3)を示してみよう
ただしX位相空間AXの部分集合。
(1)\overline{\overline{A}}=\overline{A}
(2)\overline{\phi }=\phi
(3)A^{\circ }=X\backslash \overline{X\backslash A}

参考文献

森田 茂之,『集合と位相空間』,朝倉書店 (2002/6/10)

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