はじめに
この記事では『ハイネ・ボレルの被覆定理~コンパクトと有界閉集合~』を確認します。
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コンパクトと有界閉集合の関係
本題に入る前に、被覆定理の『被覆』って何ぞや、という方は『被覆と開被覆』の記事で確認してほしい。
dodgson.hatenablog.com
さて、
ハイネ・ボレルの被覆定理を考える前に、
コンパクト、有界閉集合の関係を確認する。
を距離空間とし(ただし
とする)、
の部分集合
において①と②は同値関係にある。
①はコンパクト
②は有界閉集合
これらの証明は教科書参考書に譲り、ここでは事実のみ記す。
※詳しい解説は以下の『集合と位相』に載っている。
↑余裕があるなら持っておこう。
さて、話を戻して、これらの関係をハイネ・ボレルの被覆定理という。
ハイネ・ボレルの被覆定理のあれこれ
ハイネ・ボレルの被覆定理より有界閉集合⇒コンパクトをいう場合が多い。
ほとんどこれ。
逆はあまり。
ただし、例外※(有界閉集合だからコンパクトとは言い切れない件 - ドジソンの本棚)もある。また、
に対して閉区間
は
のコンパクト
※ただし
こっちも使えるようにしたいところ。
証明は少々長い。
こちらの証明も上で紹介した『集合と位相』に載っている。
なので(証明は)そちらに任せる。
コンパクトの性質
ついでにコンパクトについて覚えておきたい定理があるので確認する。
定理①:コンパクト空間の任意の閉集合はコンパクト
※ハウスドルフ空間の
は位相空間とする。
任意のに対し、
ならば、
の開近傍
と
の開近傍
が存在して、
これを満たすをハウスドルフ空間という。
おわりに
今回は定理の確認をした。
証明は各自でやるか、あるいは以下の『集合と位相』にて。
普段は数学記事書いているので、↓こちらも(勉強したい方は)どうぞ。
dodgson.hatenablog.com