ここではヤングの不等式の簡単な証明をします。
関数解析やルベーグ積分を勉強しているとヘルダーの不等式を使うのですが、
その証明にはヘルダーの不等式が必要になってきます。
この機会に証明とともに使えるようになりましょう。
ヤングの不等式とは?
を満たすをとれば、
に対し、以下の不等式が成立する。
に対し、以下の不等式が成立する。
※のとき等しくなる(等号成立)。
上の不等式をヤングの不等式という。
は共役指数などで聞いた(見た)ことがあるはず。
ヘルダーの不等式でも使いますからね。
証明
のときは明らか。それ以外()で考えます。
凸関数(対数)の性質を使うと上手く証明できそうなのでこれでいきましょう。
凸関数については既知としますが、忘れたor知らない場合はウィキで確認しましょう(凸関数 - Wikipedia)。
で、この凸関数は『下に凸』を指すので、をそのまま使うのはまずいです。
※示したい不等式の形にならない。
なので、として考えましょう。
すると、
※普通、のマイナスを最初に掛けての不等式で表します。
ここではわかりやすくするためにとしました。
最後に両辺にを掛けて、対数を外すと、求めたい(ヤングの)不等式を得ます。
これで証明終了です。
あとがきと次の記事について
このヤングの不等式ですが、実は筆者、名前を知らずに使っていました。
最近まで。
こういう不等式あるよね、使うよね、と。
ショックでしたね。いろんな意味で。
さて、あとがき的な呟きは置いておいて、このページの下にある記事が続きとなります。
ヘルダーの不等式やミンコウスキの不等式について書いていますので、あわせて見ておきましょう。