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(例あり)コーシー・リーマンの方程式と微分可能性と正則性

コーシー・リーマンの方程式と微分可能性と正則性

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はじめに

この記事では『コーシー・リーマンの方程式と微分可能性と正則性』を確認、練習(例題)します。

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◎できれば記事の最後まで読んでくれると助かります。

 

コーシー・リーマンの方程式と微分可能性(確認)

まずはコーシー・リーマンの方程式から微分可能がいえることを確かめる。

 

f\left( z\right) =u\left( x,y\right) +iv\left( x,y\right)に対して、


u_{x}\left( x_{0},y_{0}\right) =v_{y}\left( x_{0},y_{0}\right) ,u_{y}\left( x_{0},y_{0}\right) =-v_{x}\left( x_{0},y_{0}\right)

であると、f(z)は任意の点で微分可能。

 

微分可能な例、そうでない場合

まずは、微分可能な例を見てみる。

①f\left( z\right) =z^{2}=\left( x+iy\right) ^{2}=x^{2}-y^{2}+i2xyとする。

これは、u\left( x,y\right) =x^{2}-y^{2},v\left( x,y\right) =2xyより、 u_{x}=2x=v_{y},u_{y}=-2y=-v_{x}
確かに、微分可能。

では次はどうだろうか。
z\neq 0のとき、\begin{aligned}f\left( z\right) =\left| z\right| ^{2}=z\cdot \overline{z}&=\left( x+iy\right) \left( x-iy\right) \\ &=x^{2}+y^{2}\end{aligned}

とする。

これは、u\left( x,y\right) =x^{2}+y^{2},v\left( x,y\right) =0より、

u_{x}=2x,u_{y}=2y,v_{x}=0,v_{y}=0
コーシー・リーマンの方程式を満たさないので、微分可能でない。

このように、微分可能かどうかはコーシー・リーマンの方程式で判断できる。



まとめ、注意点

上の例でのまとめとして、任意の点の近傍の各点でz^2微分可能であるので、正則。
\left| z\right| ^{2}z=0のときのみ微分でき、その他は微分可能でなく、正則でない。
というように、『近傍の各点でも微分可能だから正則』である。
注意:コーシー・リーマンの方程式を満たせば微分可能より正則がいえるが、逆を言うには+αとして領域D(近傍)で連続であることを言う必要がある。

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