
はじめに
関数 は、通常の指数関数とは異なり、変数が底にも指数にも含まれるため、その極限の評価には工夫が必要です。
特に今回は、次の極限を求めます:
一見すると、 では
の形になり、不定形が生じます。
このような場合には、ロピタルの定理や対数変換を活用します。
ステップ1:指数の性質を利用して変形
まず、関数 を指数関数の形に書き換えます:
したがって、求める極限は次のように書き直せます:
ここで、指数関数 は連続関数であるため、極限の中身を先に求めることができます:
したがって、核心は以下の極限の評価にあります:
ステップ2:極限
の評価
ここで、 のとき、
したがって、積 の形となり、不定形
が生じます。
このような場合、ロピタルの定理を適用できる形に変形するのが有効です。以下のように変形します:
これで、分子 、分母
の形になり、 全体は
という不定形となります。
この形に対してロピタルの定理を適用します。
ステップ3:ロピタルの定理の適用
したがって、
ステップ4:結論の導出
以上より、
最終結論
補足:x → 0⁻ ではどうなるか?
関数 は、実数の範囲では
のとき未定義(虚数を含む可能性あり)です。
したがって、極限を考えるのは の場合に限られます。
まとめ
以下、この記事のまとめです。
の極限では、指数関数の性質を利用して
に変形する。
- 中身の
はロピタルの定理で評価する。
- 極限結果は
である。
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