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【例題付き】距離関数でないことはコレで判断しよう


今回は距離関数でないものを例題とともに確認する。
問題を解いていて詰まったときなどに役立ててほしい。

距離関数とは?

簡単に言えば、正値性、対称性、劣加法性の三条件が成立することである。
つまり、

d\left( x,y\right) \geq 0,d\left( x,y\right) =0\Leftrightarrow x=y

d\left( x,y\right) =d\left( y,x\right)

d\left( x,z\right) \leq d\left( x,y\right) +d\left( y,z\right)

であればよい。

③の劣加法性は三角不等式とも。
以下、よく使うため、三角不等式とよぶ。

距離関数でない

距離関数でないものについて。
かなりメタい話をすると、大体③の三角不等式を満たしていない場合が多い。

次に①を満たしてないものだろう。x^2x^4などが出てきたら、①を疑うべき。

②は考えないで良いだろう(確認は必要)。

例題

上で挙げたものを実際の問で確認する。

ⅰ)d\left( x,y\right) =\left| x^{2}-y^{2}\right|

ⅱ)d\left( x,y\right) =\left| x^{4}-y^{4}\right|

ⅰ),ⅱ)は①を満たしていない。
実際、x=1,y=-1とすれば反例ができる。
x\neq yだが、d\left( x,y\right) =0

次。
ⅲ)d\left( x,y\right) =\left| x-y\right| ^{2}

ⅳ)p=\left( x_{1},y_{1}\right) ,q=\left( x_{2},y_{2}\right)としたとき、
d\left( p,q\right) =\left( x_{1}-y_{1}\right) ^{2}+\left( x_{2}-y_{2}\right) ^{2}

ⅲ),ⅳ)は③の三角不等式を満たさない反例を作ることができる。
簡単なので、読者への練習問題とする。

おわりに

最後におすすめの集合・位相の本を紹介する。
持っていないなら買っておくことを勧める。