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全確率の定理と証明【高校大学数学・確率統計】

~全確率の定理と証明~

≫数学記事まとめはこちら

≫確率統計を勉強するならこの本

はじめに

この記事では『全確率の定理と証明』を確認します。

※間違い、ご指摘などがあれば(https://twitter.com/Dodgson_007)のDMにご連絡ください。
お問い合わせフォームからもどうぞ(https://dodgson.hatenablog.com/about

★この記事について(数学記事のQ&A - ドジソンの本棚

◎できれば記事の最後まで読んでくれると助かります。

 

おさらい

前回の記事で条件付確率について確認した。

今回はそれを既知として進めるので、前回の記事がまだの人はそちらから見ることを勧める。

dodgson.hatenablog.com

参考文献について

説明を表示する

今回は定理の証明に使用した本があるのでここに記す。

普段は記事の内容(定理や証明など)は、大学の講義中に自分で作ることがほとんどであるが、このような場合はしっかりと紹介するので念のため。

 

参考文献:小山昭雄(2011)『確率論 (新装版 経済数学教室 9)』岩波書店

 

また、内容は上記の通り、確率論であり、数学科はもちろん、経済を学ぶ者にもおススメしたい一冊である。

是非(余裕があるなら)、買ってほしい。

※シリーズとなっているため他にもある。

 

 

全確率の定理とは

A_{1},\ldots ,A_{n}について、

i\neq jで、A_{i}\cap A_{j}=\phiとし、

 A_{1}\cup \ldots \cup A_{n}=\Omegaとする。

\Omegaは標本空間。

下の記事で軽く説明しているので何のことかわからなかったら、確認しておこう。

≫事象の確認(和事象,交事象,差事象,余事象,排反事象)【高校大学数学・確率統計】 - ドジソンの本棚

 

 このとき任意の事象Bに対して、

次が成立する。

 ※スマホの方は横にスクロール→

P\left( B\right) =P\left( A_{1}\right) P\left( B| A_{1}\right) +\ldots +P\left( A_{n}\right) P\left( B| A_{n}\right)

これは次の記事で扱うベイズの定理でまた使用する。

ここでは飽くまで定理の使用だけを想定して簡単に略して記したが、詳しくは参考文献にも載ってあったのでそちらで確認するのもよいでしょう。

次は、これを証明する。

 

 

証明

 i\neq jで、A_{i}\cap A_{j}=\phiなので(①)、

A_{i}Bの共通部分はまた空である。

また、 A_{1}\cup \ldots \cup A_{n}=\Omegaより

B=\Omega \cap Bで、これは雑に説明すると事象BがΩに含まれることから。

なので、Bは

B=\left( A_{1}\cap B\right) \cup \ldots \cup \left( A_{n}\cap B\right)

ここで確率のDefより\cup +にできるので(①より)、

P\left( B\right) =P\left( A_{1}\cap B\right) +\ldots +P\left( A_{n}\cap B\right)

あとは前回使った条件付確率の一般化乗法公式より

P\left( B\right) =P\left( A_{1}\right) P\left( B| A_{1}\right) +\ldots +P\left( A_{n}\right) P\left( B| A_{n}\right)

となる。

 

以上、おわり。

次はこれを使ってベイズの定理に進む。

 

 

次回予告

ベイズの定理やります。

証明もします。

ぶっちゃけ全確率やるくらいなら

ベイズだけでいいのでは?

と言われるかもですがね。

形としては全確率と条件付確率を使うだけです。

 

次の記事:

dodgson.hatenablog.com

 

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