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複素積分の正方形を問で確かめるRez&Imz(1-i,1+i,-1+i,-1+i)

はじめに

ここでは複素積分の正方形の場合について問を使って確かめます。
問→答の順で進めていきます。詳しくは目次で。

一度は読んでおきたい、おすすめ記事⇩
dodgson.hatenablog.com

複素積分の正方形

まずは、図を用意します。※マウスで書いたので綺麗じゃないです、すみません。
f:id:Dodgson:20220208104132p:plain
これは、1-i,1+i,-1+i,-1+iを頂点とした正方形(のつもり)です。
この周をCとし、以下二つの複素積分を求めてみましょう。

\displaystyle\int _{C}\mathrm{Re}\,z\,dz

\displaystyle\int _{C}\mathrm{Im}\,z\,dz

Re zの場合

①の時どうなるか。
わけて考える必要があるので、


\displaystyle\int _{C}\mathrm{Re}\,z\,dz=\int _{C_{1}}\mathrm{Re}\,z\,dz+\int _{C_{2}}\mathrm{Re}\,z\,dz+\int _{C_{3}}\mathrm{Re}\,z\,dz+\int _{C_{4}}\mathrm{Re}\,z\,dz

このようにします。
また、
C_{1}を1-i→1+i
C_{2}を1+i→-1+i
C_{3}を-1+i→-1+i
C_{4}を-1+i→1-i
であるとします。

そこで、まずC_{1}からやっていきます。

C_{1}t\in \lbrack{-1,1}\rbrackにおいて
C_{1}:z\left( t\right) =1+itなので
\displaystyle\int _{C_{1}}\mathrm{Re}\,z\,dz=\int ^{1}_{-1}idt=2i

筆者も間違いそうになったのですが、dzからdtにしてますからね。
一旦微分しておくことを忘れないように。
例えば、上はRe zが1、\dfrac{dt}{dz}=iなので、1\times iより、i積分になっています。


次はC_{2}です。

C_{2}t\in \lbrack{-1,1}\rbrackにおいて
C_{2}:z\left( t\right) =-t+iなので
\displaystyle\int _{C_{2}}\mathrm{Re}\,z\,dz=\int ^{1}_{-1}tdt=0


次はC_{3}です。

C_{3}t\in \lbrack{-1,1}\rbrackにおいて
C_{3}:z\left( t\right) =-1-itなので
\displaystyle\int _{C_{2}}\mathrm{Re}\,z\,dz=\int ^{1}_{-1}idt=2i


最後にC_{4}です。

C_{4}t\in \lbrack{-1,1}\rbrackにおいて
C_{4}:z\left( t\right) =t-iなので
\displaystyle\int _{C_{4}}\mathrm{Re}\,z\,dz=\int ^{1}_{-1}tdt=0


よって、
\displaystyle\int _{C}\mathrm{Re}\,z\,dz=4i
です。

Im zの場合

Re zとやり方は同じなので省略しますが、
部分的に書いておきますと、
C_{1}が0、C_{2}が-2、C_{3}が0、C_{4}が-2
なので、
\displaystyle\int _{C}\mathrm{Im}\,z\,dz=-4となります。

確認してみてください。

zはどうなるか?

おまけついでにzの場合もしておきましょう。

\displaystyle\int _{c}zdz=\int _{c}\mathrm{Re}\,z\,dz+i\int _{c}\mathrm{Im}\,z\,dz
であるので、
zの場合は、0ということになります。

おわりに&おすすめ記事

他にも数学記事を書いているのでよかったら見てください。
一度は読んでおきたい、おすすめ記事⇩
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数学記事まとめです⇩
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