はじめに
ここでは表現行列の簡単な求め方について確認、例題で練習します。
この記事はサブサイト『数学の島』で載せていたものです。
表現行列って?
例題から入ってもよいのですが、
そもそもの話で、表現行列って何?という方向けに定義を確認しておきます。
表現行列の定義
を次元ベクトル空間とし、を基底とする。
同じように
を次元ベクトル空間とし、を基底とする。
このとき、線形写像において、
はの一次結合なので、
このように表せる。
ここで、係数を取り出して、(上の場合だと)
これがの表現行列である。
定義の確認をしたところで、例題を二つ用意したのでそれを解いてみよう。
例題1
まずはの場合で見てみよう。
線形写像,
であり、
基底が、だったとする。
このときの表現行列を求めてみよう。
解:
分かりやすくするために、
としておく。
であり、
これはを使って次のようにおける。
あとは、これを解いて、
も同様にして、
となるので、求める表現行列は、
である。
次はの場合で見てみよう。
といってもやり方は同じなのですぐにできるはず。
例題2
線形写像,
であり、
基底が、だったとする。
このときの表現行列を求めてみよう。
解:
上と同じく、分かりやすいように
としておく。
するとは、
となるので、求める表現行列は、
である。
基本、このとおりにやれば簡単に求まる。
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