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【線形代数】表現行列の簡単な求め方(例題で練習)

はじめに

ここでは表現行列の簡単な求め方について確認、例題で練習します。
この記事はサブサイト『数学の島』で載せていたものです。

表現行列って?

例題から入ってもよいのですが、

そもそもの話で、表現行列って何?という方向けに定義を確認しておきます。

表現行列の定義

Vn次元ベクトル空間とし、a_{1},\ldots ,a_{n}を基底とする。

同じように
Wm次元ベクトル空間とし、b_{1},\ldots ,b_{m}を基底とする。

このとき、線形写像f:V\rightarrow Wにおいて、

f(a_{i}),( i= 1,\ldots ,n)b_{1},\ldots ,b_{m}の一次結合なので、


\begin{aligned}f\left( a_{1}\right) =a_{11}b_{1}+a_{11}b_{2}+\ldots
  +a_{m1}b_{m}\\f\left( a_{2}\right) =a_{21}b_{1}+a_{22}b_{2}+\ldots
  +a_{m2}b_{m}\\\vdots \\f\left( a_{n}\right)=a_{n1}b_{1}+a_{n2}b_{2}+\ldots
  +a_{mn}b_{m}\end{aligned}

このように表せる。

ここで、係数を取り出して、(上の場合だと)


\begin{pmatrix}a_{11} & a_{12} &\ldots& a_{1n} \\a_{21}& a_{22} & \ldots& a_{2n} \\a_{n1}^{\vdots } &a_{n2} &\ldots & a_{mn}\end{pmatrix}

これがfの表現行列である。

定義の確認をしたところで、例題を二つ用意したのでそれを解いてみよう。

例題1

まずは\mathbb{R} ^{2}の場合で見てみよう。
線形写像f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} ^{2},

f\begin{pmatrix}x \\y\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3x+y \\-x-5y\end{pmatrix}
であり、

基底が、\begin{pmatrix}1 \\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\-1\end{pmatrix}だったとする。

このときの表現行列を求めてみよう。

解:

分かりやすくするために、

a_{1}=\begin{pmatrix}1 \\0\end{pmatrix},a_{2}=\begin{pmatrix}0  \\-1\end{pmatrix}
としておく。

f\left( a_{1}\right) =\begin{pmatrix}3 \\-1\end{pmatrix}であり、
これはc_{1},c_{2}を使って次のようにおける。

f\left( a_{1}\right) =\begin{pmatrix}3\\-1\end{pmatrix}=c_{1}a_{1}+c_{2}a_{2}

あとは、これを解いて、
c_{1}=3,c_{2}=1

f\left( a_{2}\right)も同様にして、

f\left( a_{2}\right) =\begin{pmatrix}-1 \\5\end{pmatrix}=-a_{1}-5a_{2}
となるので、求める表現行列は、
\begin{pmatrix}3 &-1 \\1 &-5\end{pmatrix}
である。

次は\mathbb{R} ^{3}の場合で見てみよう。
といってもやり方は同じなのですぐにできるはず。

例題2

線形写像f:\mathbb{R} ^{3}\rightarrow \mathbb{R} ^{3},

f\begin{pmatrix}x \\y \\z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}y-z \\x+2y  \\-2x+z\end{pmatrix}

であり、

基底が、\begin{pmatrix}1 \\0 \\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0 \\-1 \\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0 \\0 \\-1\end{pmatrix}だったとする。

このときの表現行列を求めてみよう。

解:

上と同じく、分かりやすいように

a_{1}=\begin{pmatrix}1 \\0 \\0\end{pmatrix},a_{2}=\begin{pmatrix}0 \\-1\\0\end{pmatrix},a_{3}=\begin{pmatrix}0 \\0 \\-1\end{pmatrix}としておく。


するとf\left( a_{1}\right) ,f\left( a_{2}\right) ,f\left( a_{3}\right)は、


f\left( a_{1}\right) =\begin{pmatrix}0 \\1 \\-2\end{pmatrix}=-a_{2}+2a_{3}


f\left( a_{2}\right) =\begin{pmatrix}-1 \\-2 \\0\end{pmatrix}=-a_{1}+2a_{2}


f\left( a_{3}\right) =\begin{pmatrix}1 \\0 \\-1\end{pmatrix}=a_{1}+a_{3}

となるので、求める表現行列は、

\begin{pmatrix}0 &-1 &1 \\-1 &2 &0 \\2 &0 &1\end{pmatrix}
である。

基本、このとおりにやれば簡単に求まる。

おわりに&おすすめ

最後に、大学数学のおすすめ参考書まとめの記事を紹介します。
当サイトで人気記事となっていますので、よければ読んでみてください。

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