ノルム空間の定義
線形空間に対し、その元をとし、以下の3条件を満たすとき、をのノルム、をノルム空間という。
(1) 特に、のとき、 (正値性)
(2)
(3)
距離
ノルム空間の2点に対し、とおくとは次の3条件を満たす。
(1) 特に、のとき (正値性)
(2) (対称性)
(3)
よっては『距離』であり、は距離空間である。
したがって、ノルム空間に対し、距離空間でいう『球』や『収束』を表すことができる。
【例:球】を中心、半径とすると、
球はと表せる。
(ちなみに、が開球、が閉球である)
【例:収束】点列が点に収束するとき、
であり、これはノルムを用いてとも表せる。
このときをの極限といい、極限が存在すればただ一つである。
証明は以下のとおり。
『点列が収束するとき、極限はただ一つである』
【証明】
極限が二つ存在したしたとする。
すなわち、とし、
ならば、
]
]
,とおくと、
以上より、極限はただ一つ。
その他、ならば、
ならば、
など、を使用し証明できる。
の証明は解析学などでやっているはずなので、ここでは省略する。
不安ならば試しにやってみてもよい。ノルムに置き換えるだけの単純作業となるが。
長くなったので、今回はここまでとする。
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